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日本との比較から見るベトナム越境ECの可能性とは?

By Tanami
03/11/2023 UTC.

ベトナムのEC市場は近年急速に成長しており、日本のEC事業者にとって有望な市場となっています。本記事では、ベトナムのEC市場規模や特徴を日本と比較しながら、ベトナムでEC事業を始める際のポイントを解説します。

1. ベトナムEC市場規模は?

Sell on Shopee Vietnam

 

ベトナムのインターネット利用者数は約6420万人(2021)で、インターネット普及率は約67%です。EC市場規模は2020年に約50億ドルと推定されており、2025年には150億ドル規模に成長すると予測されています。

日本のEC市場規模が2020年に約18兆円だったことを考えると、ベトナムはまだ日本の10分の1程度の規模にすぎません。しかし、EC比率(小売販売に占めるECのシェア)はベトナムが5%、日本が9% (2021)と、adoption rate(普及率)的には日本とそれほど変わらない水準にあることが分かります。

ベトナムのGDP成長率がここ数年6~7%と高成長が続いていることから、消費市場として非常に魅力的だと言えます。特に10~30代の若年層を中心にスマートフォンなどのデジタルデバイスの利用が進んでおり、EC市場の伸びしろは大きいでしょう。

 

2.ベトナムeコマース販売

ベトナムは近年、急速に経済成長を遂げており、その中でECサイトも大きな成長を見せています。特に、ショッピー、ラザダ、テンセントといったECサイトが最も利用者数の多いことが知られています。

ショッピーは、世界最大のECプラットフォームであるテンセントが運営するECサイトです。ユーザー数は約3000万人と、国内最大規模を誇っています。一方、ラザダはアリババグループに属するECサイトであり、同じくベトナムで最も利用者数が多いECサイトの一つです。さらに、テンセントは中国で最も有名なECサイトの一つであり、ベトナムでもその人気は高く、利用者数は約2000万人と言われています。

これらのECサイトでは、ファッション、コスメ、家電などの主要なカテゴリーが取り扱われています。特に、若い女性を中心とした消費者が多く、ファッションやコスメの売上が非常に高いことが知られています。

また、ベトナムの消費者の特徴として、スマートフォンからのアクセスが非常に高いことが挙げられます。実際、9割以上の消費者がスマートフォンを利用してECサイトにアクセスしています。これは「モバイルファースト」という言葉で表されるように、ベトナムの消費者がスマホを重視し、それを活用して買い物をする傾向があることを示しています。

さらに、ベトナムの消費者はクレジットカード保有率が低く、決済方法もクレジットカードよりも現金払いや銀行振込が主流です。これは、ベトナムの経済状況や金融システムの未成熟さが影響していると言われています。そのため、日本のようにクレジットカードを利用した決済が一般的ではなく、代引きやコンビニでの支払いなど、オフラインの支払い方法が主流となっています。

日本のEC事業者がベトナムで販売する際には、物流インフラの整備や現金決済に対応することが重要な課題となります。特に、ベトナムは地理的にも広く、物流インフラが整っていない地域もあります。そのため、商品の配送や返品・交換などの対応が課題となる可能性があります。

また、ベトナムの消費者は若者が多く、スマホの利用に慣れていることもメリットと言えます。日本のようにPCを利用することが一般的ではなく、スマホでのECサイトの利用が主流です。そのため、モバイル最適化されたサイトやアプリの開発が重要となります。

総じて、ベトナムはまだまだEC市場が未発展な国であり、日本のようにすぐにビジネスを行えるわけではありません。しかし、急速に成長している市場であり、若い世代の消費者が多いことから大きな潜在力があると言えるでしょう。日本のEC事業者がベトナム市場を開拓し、成功するためには、現地の消費者の特徴やニーズを把握し、それに合った戦略を立てることが重要となります。

3.ベトナムでビジネスを始める

 

ベトナムのEC市場

 

ベトナムでEC事業を始める際には、現地法人の設立か、現地パートナーとのジョイントベンチャー設立の2つの選択肢があります。それぞれの選択肢にはメリットやデメリットがありますので、よく検討して最適な方法を選ばなければなりません。

まず、現地法人設立の場合です。この方法では、投資許可証の取得、会社設立登記、税務登録などの手続きが必要になります。また、投資額にもよりますが、日本円にして1000万円程度の資本金が必要となるケースが多いでしょう。現地法人を設立することで、ベトナム国内でのビジネス活動が可能となり、現地の消費者やビジネスパートナーとのコミュニケーションもスムーズに行えるようになります。また、独自のブランドやサービスを展開することもできるため、事業の自主性が高まります。しかし、手続きや規制の壁があり、設立に時間や費用がかかることがデメリットとして挙げられます。

一方、現地パートナーとのジョイントベンチャー設立は、現地における理解度や事業のスピード感が違うと言われています。ベトナムでのビジネスにおいては、現地の文化やルールを把握し、適切に対応することが重要です。そのため、現地パートナーとの合弁会社設立は、現地での事業展開において大きなメリットとなり得ます。具体的には、広告運用や物流などの部分をパートナー任せにすることで、国内でのネットワークを活用できるため、事業の拡大や顧客獲得につながります。さらに、現地パートナーが持つノウハウや経験を生かすことで、失敗を防ぐこともできます。しかし、利益配分や意思決定の調整が必要になるため、コミュニケーションやパートナーシップを築くことが重要となります。

以上のように、現地法人設立と現地パートナーとのジョイントベンチャー設立にはそれぞれメリットやデメリットがあり、最適な方法を選択するには慎重な判断が必要です。どちらの方法を選んでも、ベトナムでの事業展開においては現地の文化やルールを尊重し、良好な関係を築くことが成功への鍵となるでしょう。

4.ベトナムでのマーケティングサービス

ベトナムではFacebookInstagramYouTube, TiktokなどのSNS広告が主流となっています。特にFacebookはベトナムのインターネットユーザーのうち95%が利用しており、マーケティングにおいて欠かせない媒体です。

インフルエンサーマーケティングも盛んで、専門のマッチング会社を利用するのが一般的です。クチコミを通じた口コミマーケティング効果も高く、商品の認知度向上に役立ちます。

日本との時差が2時間しかないため、運用は日本からでも可能です。ただし、現地での商習慣や消費者の嗜好を理解した上での施策設計が必要不可欠でしょう。

 

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https://ezbuy.jp/ja/services/sell-in-vietnam

5.まとめ

ベトナムのEC市場は今後も成長が見込まれ、日本のEC事業者にとって有望な市場といえます。スマホユーザーが主体の若者をターゲットに、現地パートナーと連携しながらSNSマーケティングを中心とした戦略を展開することが重要だと考えられます。政治的安定性やインフラ面での課題はあるものの、消費市場の潜在力は計り知れないでしょう。日系企業による本格参入がこれから活発化することが予想されます。