ベトナムECサイトおすすめ4選|市場動向・越境EC進出の成功法まで【2026年最新】
By Nanami -19/07/2026 UTC.
ベトナムのEC市場は、東南アジアの中でも特に高い成長率を維持しており、越境ECの有望市場として世界中から注目を集めています。若年層の多さやスマートフォンの普及、キャッシュレス決済の拡大を背景に、EC市場規模は年々拡大しています。そのため、ベトナム市場への進出を検討する日本企業も増加しています。
日本ではAmazonや楽天市場が広く利用されていますが、ベトナムではShopee、Lazada、TikTok Shop、TikiなどのECサイト・アプリが主流です。それぞれユーザー層や強み、販売に適した商品カテゴリーが異なるため、自社に合ったプラットフォームを選ぶことが越境EC成功の重要なポイントとなります。
一方で、ベトナムのEC市場には、日本とは異なる商習慣や消費者行動があります。偽造品への対策や品質管理、配送・返品対応、決済方法など、事前に理解しておくべきポイントも少なくありません。市場特性を踏まえた戦略を立てることで、越境ECの成功率を大きく高めることができます。
本記事では、ベトナムEC市場の最新動向をはじめ、おすすめのECサイト4選の特徴や比較、さらに越境ECを成功へ導くためのポイントまで、わかりやすく解説します。
1. ベトナムEC市場の最新動向と市場規模
ベトナムEC市場は、東南アジアでも高い成長を続ける注目市場です。 若年人口の多さやスマートフォンの普及を背景に、市場規模は年々拡大しており、日本企業の越境EC進出先としても注目されています。

ベトナムEC市場の規模と最新動向
まずは、ベトナムEC市場の最新動向と市場規模を最新データとともに見ていきましょう。
1.1. ベトナムEC市場の規模と成長率
ベトナムのEC市場は、東南アジアで最も急成長している市場の一つです。2023年時点で市場規模は約230億ドルに達し、2025年には390億ドルに拡大するとの予測もあります。年平均成長率(CAGR)は20%以上と非常に高く、デジタル経済をけん引する重要市場となっています。(出典:Vietnam Country Commercial Guide – E-Commerce )
この急成長の背景には、インターネット普及率の高さとスマートフォンの利用拡大があります。2023年の時点で、ベトナムのインターネット普及率は約72%に達し、スマートフォン所有者の割合は80%を超えています。さらに、政府が推進する「国家デジタル経済プログラム」によって、地方都市や農村部でもEC利用を支えるインフラが整備されつつあります。
また、ベトナムは人口約1億人を抱える市場であり、特に若年層がEC市場の主要な消費者層となっています。これらの若い消費者はデジタルネイティブであり、オンラインショッピングを日常的に利用していることが特徴です。商品カテゴリ別では、ファッション(全体の約30%)、美容製品(約25%)、電子機器(約20%)が売上の多くを占めており、食品や日用品の市場も急速に拡大しています。
越境ECもベトナム市場で重要な役割を果たしています。日本や韓国、中国、アメリカからの製品が特に人気であり、高品質な輸入商品に対する需要が増加しています。ベトナムの消費者は、国際ブランドに対して高い信頼を寄せており、越境ECプラットフォームを通じて手軽に購入できる環境が整っています。
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1.2. なぜ今ベトナム越境ECが注目されるのか
ベトナムEC市場がこれほどまでに急成長している理由は、単に市場が拡大しているからだけではありません。その背景には、現地ならではの強力な3つの成長エンジンが存在します。
① 消費を牽引する若年人口の多さ
ベトナムは人口の70%以上が35歳以下で、平均年齢は31歳という非常に若い国です。このデジタルネイティブ世代が消費の中心を担っています。彼らは新しいサービスや海外トレンドへの抵抗感が薄く、オンラインでの購買行動にも極めて積極的です。
② スマートフォンとキャッシュレス決済の普及
ベトナムにおけるオンラインショッピングの80%以上は、スマートフォン経由で行われています。MoMoやZaloPay、VNPayといった電子ウォレット決済も急速に普及しました。ただし、依然として代金引換(COD)も根強い人気を誇るため、現地進出の際はデジタル決済とCODの両面に対応することが不可欠です。
③ ライブコマース・動画コマースの拡大
TikTok Shopなどを筆頭に、ベトナムではライブコマース市場が急速に拡大しています。人気のインフルエンサー(KOL/KOC)がリアルタイムで商品を紹介し、視聴者がその場で即座に購入するスタイルが定着しました。このインタラクティブな購買体験は、若い世代の人気を集めています。
1.3. 現地で人気の売れ筋商品カテゴリと日本製品が選ばれる理由
ベトナムのEC市場で特に売上が伸びているのは、ファッション、美容、電子機器の3大カテゴリです。近年は、食品や日用品、ベビー用品といった暮らしに密着した商品の需要も急速に拡大しています。
こうした市場環境の中で、日本製品は品質の高さが評価され、高いブランド価値を築いています。特に肌に直接触れる化粧品や、赤ちゃんが使うベビー用品は、安全性と品質の高さを重視する現地の消費者から高い支持を集めています。
実際に、日本の中小企業メーカーが製造したおむつがベトナムの親世代の間で話題となり、現地の口コミを通じて大ヒットにつながった事例もあります。高品質で安心できるブランドという評価が、ECサイトでのブランド価値の向上につながっています。
ベトナム市場では、価格の安さだけで勝負する低価格帯の商品も多く流通しています。しかし、日本企業が持つ品質や安全性というブランド価値は、激しい価格競争を避けながらファンを獲得できる大きな強みです。
2. ベトナムの主要ECサイトを徹底比較
ベトナムで越境ECを成功させるには、自社に適したECサイト選びが欠かせません。 ベトナムでは、Shopee、TikTok Shop、Lazada、Tikiが主要なECサイトとして多くのユーザーに利用されています。
ここでは、各ECサイトの特徴や違いを比較し、越境ECに最適なプラットフォームの選び方を解説します。
2.1. おすすめのベトナムの主要ECサイト4選
ベトナムのEC市場へ参入する際、どのプラットフォームを選ぶかはビジネスの成否を左右する重要な判断です。まずは現地で圧倒的なシェアを誇る主要4大モールの特徴を一覧表で比較します。

ベトナム進出におすすめの主要ECプラットフォーム
主要4大モール全体の売上高は前年比34.75%増と、市場全体は今も非常に高い成長を維持しています。しかし、その内実を見るとショッピーとティックトックショップによる2強への一極集中が急速に進んでいます。そのため、日本企業が新規参入する際は、まずこの2つのプラットフォームを軸に出店プランを検討するのが導入しやすい方法です。
2.2. モール化が示す出店戦略の成功につながる戦略
市場シェアのデータだけでは見えてこない、ベトナムECにおける極めて重要なトレンドがあります。それがモール化と呼ばれる現象です。
現在、ショッピーやティックトックショップに出店している全店舗のうち、公式ブランドストアであることを示すモール店舗の割合はわずか2.12%にすぎません。しかし、データを見ると全体の売上高の32.6%をこのわずかなモール店舗が占めています。これは、一般店舗の15倍近い売上効率を公式モール店舗が叩き出している計算になります。
特にティックトックショップの公式モールでは、店舗数がわずか1.14%しか増えていないにもかかわらず、モール全体の実績は99.14%も急増しました。この数字は、ベトナムの消費者が本物であることの証明としてモール認証を非常に強く意識していることの表れです。市場に偽物や品質の劣る商品が散見される中、ユーザーは安さよりも公式ストアという安心感を最優先に選んでいます。
この状況を踏まえると、日本企業にとって最も現実的な戦略は、まず一般店舗として出店し、その後モール認証の取得を目指すことです。最初から一般店舗として価格競争に巻き込まれるよりも、モール認証の取得を中期的な目標に据えるべきです。モール認証の取得には法人の登録や安定した配送品質などの審査基準をクリアする必要があるため、まずは一般店舗として実績を作り、信頼を積み重ねながら公式モールへの格上げを目指すロードマップが推奨されます。
2.3. モール出店以外の選択肢:自社ECサイトを構築するという道
Shopeeなどのモールへの出店は、初期費用を抑えて集客力を活用できる利点があります。その反面、年々上昇する手数料が大きな課題となっています。
2026年にはShopeeが新たに5パーセントの技術サポート手数料を導入しました。TikTok Shopもベトナムでの手数料を大幅に引き上げています。一般店舗で12.5パーセント、公式店舗で14.5パーセントという高い設定です。モールに依存しすぎると、利益率が大きく圧迫されるリスクがあります。
そこで新たな選択肢となるのが、Shopifyなどを活用した自社ECサイトの構築です。最大のメリットは顧客データを自社で完全に保有できる点です。モールのルール変更や手数料の改定に振り回される心配がありません。ブランドの世界観を自由に表現できるため、価格競争を回避した訴求が可能になります。
しかし自社ECサイトには、集客をゼロから自力で行う難しさもあります。そのため実際の越境ECではハイブリッド戦略が推奨されます。まずはモールに出店して認知度を高め、初期の売上を確保します。そこから並行して自社サイトへ顧客を誘導する進め方が最も現実的です。
ベトナム向けだけでなく、世界各国への越境ECで利用されている主要プラットフォームや選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
>>関連記事:【2026年最新】越境ECプラットフォームおすすめ6選|種類・比較・選び方を徹底解説
3. ベトナム越境EC進出を成功させる4つの方法
ベトナムへの越境ECは、現地法人がなくても始めることができます。 進出方法によって、必要な手続きやコスト、運営体制は大きく異なります。
ここでは、ベトナム市場へ進出する4つの方法を比較し、自社に最適な越境EC戦略を解説します。
3.1. 進出形態4パターンの徹底比較
日本貿易振興機構であるジェトロの分類に基づくと、ベトナムへのEC進出は大きく4つの方法に分けることができます。それぞれの特徴を詳しく解説します。
① 現地の主要ECモールへの出店
ショッピーやラザダ、ティックトックショップといった現地で実績のあるモールに出店する方法です。現地法人の設立は不要で、最短数週間で出店できます。プラットフォームに支払う利用料などに対する追加の課税も発生しません。4つの方法の中で最もスピーディーに展開できる選択肢です。
② 日本からベトナム向け自社ECサイトの展開
越境EC専用のシステムを活用し、日本にいながらベトナム語の自社ECサイトを直接運営する方法です。こちらも現地法人は不要で、複雑な税務上の課題もほぼありません。自社ブランドの世界観を最大限にアピールできる一方で、認知度の獲得や集客をすべて自力で行う必要があります。
③ 日本法人が提供する越境販売サービスの利用
ショッピージャパンなど、日本法人が提供する越境ECサポートを窓口にして出店する方法です。日本語でのサポートを受けながら出店できるため、言語の壁を大幅に下げることができます。こちらも現地法人は不要で追加の課税も発生せず、比較的早いスピードでビジネスを開始できます。
④ 現地子会社の設立による本格展開
ベトナム現地に法人を立ち上げて自社ECサイトを構築および運営する最も本格的な方法です。法人の登記手続きが必要となるため、参入には数ヶ月から半年程度の準備期間を要します。さらに他の3つの方法とは異なり、税務面での大きな注意点が存在します。例えば、日本の親会社から現地子会社へ技術支援を行う場合や、海外の企業にEC構築を外注する場合には、外国契約者税と呼ばれる現地独自の税金が課されるリスクがあります。コスト設計の段階から慎重に計画を立てることが不可欠です。
3.2. 現地法人設立なしでスモールスタートするコツ
ベトナムでの現地法人を設立せずに、日本にいながらテスト販売を開始する動きが近年とても活発になっています。
その代表例が東南アジア最大級のECモールであるショッピーです。日本法人のショッピージャパンはベトナムへの越境販売サービスを提供しています. これにより、日本の事業者は現地に拠点を構えることなく、ベトナムの巨大な市場に直接アプローチできるようになりました. Lazadaでも越境販売プログラムが提供されています。まずはリスクを抑えて市場の反応をテストできる体制が整っています。
このスモールスタートを成功に導くためには、以下のような段階的なロードマップを描くことが非常に効果的です。
- テスト検証フェーズ
ショッピーやラザダの越境販売サービスを活用し、まずは少ない商品数から出品をスタートします。現地の消費者の反応や最適な価格帯、何が売れ筋なのかをしっかりと見極めます。
- チャネル拡張フェーズ
最初の検証で手応えのあった主力商品を中心に展開を広げていきます。このタイミングで、動画を活用したティックトックショップなどの新たな販路を試すことも有効です。
- 本格進出フェーズ
ある程度の売上実績を継続して作れるようになった段階で、初めて現地法人の設立や、より利益率の高い自社ECサイトの構築といった本格展開へ移行を検討します。
ベトナム市場への進出方法だけでなく、越境EC全体の進め方や準備の流れについて知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
>>関連記事:越境ECの始め方完全ガイド|費用・関税・成功のポイントを徹底解説【2026年版】
4. ベトナム越境ECで押さえるべき課題
ベトナム越境ECを成功させるには、市場の成長性だけでなく、現地特有の課題を理解することも重要です。 物流や通関、決済、言語には日本とは異なるルールや商習慣があり、事前の対策が欠かせません。

ベトナム越境EC進出における課題
ここでは、ベトナム越境ECで直面しやすい課題と、その対処法を解説します。
4.1. 配送リードタイムと物流コストの削減
日本からベトナムへの配送は、速達便であれば2日から5日程度で届く一方、低コストな便や通関手続きを挟むと到着までに2週間近くかかるケースがあります。特に品質検査が必要な化粧品やサプリメントは通関で日数がかかりやすく、配送の遅れは注文キャンセルや低評価レビューに直結するため注意が必要です。
配送料の高騰や配送遅延による顧客の離脱を防ぐためには、商品の単価や緊急度に応じた使い分けが欠かせません。高単価な商品はスピード重視の速達便を使い、まとめ買いされやすい低単価な商品はエコノミー便を適用するなど、配送ルートの最適化を進めることが基本となります。
さらに効率を高める手段として、現地のフルフィルメントサービスの活用も有効です。日本の商品を一括して現地の提携倉庫へ送り、そこから現地国内の物流網で一気に配送することで、配送リードタイムの短縮と物流コストの最適化につながります。
4.2. 通関手続きとベトナムの税制
ベトナムへ商品を輸入する際は、関税や付加価値税が課され、一部の品目にはさらに特別消費税が加わります。関税率を決めるための品目分類コードの特定や、煩雑な書類手続きは、初めて越境ECに取り組む企業にとって大きな障壁となりがちです。
一方で、見落とされがちなのが、日本とベトナムの間で結ばれている経済連携協定による関税の優遇メリットです。特に環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定などを活用すれば、多くの品目で関税が即時撤廃、または大幅に引き下げられ、有利な条件で輸出できます。
しかし、多くの中小企業ではこの制度や、原産地証明書を取得する手続きが十分に知られていません。その結果、高い税率のまま輸出しているケースが散見されます。進出前にはジェトロが提供するデータベースなどを使い、自社商品に最も有利な協定を事前に調べて選定することが重要です。
4.3. 決済方法とベトナム語カスタマーサポート対応
ベトナムでは代金引換による決済が根強く支持されています。現地政府はキャッシュレス決済の普及を推進していますが、現在も多くの取引が商品受け取り時の現金払いで行われているのが実情です。このため、受け取り拒否や不在による返品トラブルを想定し、返送時の送料負担や在庫管理のルールを事前に設計しておく必要があります。
一方で、モモやザロペイといった現地で最大シェアを持つ電子マネー決済への対応も欠かせません。自社の販売サイトにこれらの主要な決済手段をあらかじめ組み込んでおくことで、現金代引きへの依存度を下げ、注文のキャンセル率を低下させる効果が期待できます。
また、現地の顧客対応において翻訳ツールだけに頼る運用は避けるべきです。不自然な自動翻訳はブランドへの不信感を招きやすいため、ベトナム語ネイティブによるサポート体制を整えることが基本となります。丁寧でスピード感のある現地語での対応こそが、購入後のリピート率を高めるための成功の鍵となります。
5. ベトナムEC関連の規制・税務アップデート
ベトナムEC市場では、法規制や税務制度が大きく変化しています。 越境ECを円滑に進めるためには、最新の制度を理解し、適切に対応することが重要です。ここでは、2026年の主要な規制・税務アップデートを紹介します。
5.1. EC関連法の強化:プラットフォーム責任と消費者保護
ベトナムでは電子商取引に関する新しい法律が可決され、2026年7月から施行されています。これはこれまでの古い政令に代わるベトナム初の包括的な基本法であり、国内に拠点を持たない海外の事業者に対しても法律が適用される点が大きな特徴です。
この新法では、運営するサービスやプラットフォームの形態に応じて現地での対応が義務付けられています。例えば、販売機能を持つサイトを運営する場合は現地の責任者を置く必要があります。また、SNSを活用したサービスや仲介サービスを提供する場合は現地法人を設立するか代表者を指名することが求められます。
さらに新法には、決済代金を一時的に第三者が預かることで買い手を守る仕組みや、ライブコマースを行う配信者への規制、偽造品の取引禁止なども盛り込まれました。ベトナムでの越境ECを安全に続けるためには、自社のビジネスがどの区分に該当するかを早めに確認しておくことが重要です。
5.2. プラットフォーム事業者の源泉徴収・納税義務
ベトナムのEC市場では、税務面でも大きな制度変更が実施されています。現地政府が公布した新しい政令により、ショッピーやラザダ、ティックトックショップなどの主要プラットフォームに対して、出品者に代わって税金を源泉徴収して直接納税する義務が課されることになりました。
この源泉徴収は、注文が確定して決済が行われるタイミングで自動的に実施されます。税率は販売者が現地に居住しているか否か、また扱う商品やサービスの種類によって細かく設定されています。なお、年間の売上高が一定の基準を下回る小規模な個人事業主は、この一括徴収の対象から除外される仕組みです。
この制度改定により、現地の個人セラーによる納税逃れが難しくなり、プラットフォーム側の税務管理は一段と厳格化しています。越境ECで出店する日本企業が直接納税を求められるわけではありませんが、出店先モールのルールや課金システムに影響を与える重要な変更として、最新の動向を把握しておく必要があります。
5.3. CPTPP・日越EPAがもたらす関税メリット
厳しい規制や税制の強化が進む一方で, 日本の輸出企業にとって有利な制度となる制度もあります。日本とベトナムの間には, 日越の二国間協定をはじめ, アセアン全体の経済連携協定や環太平洋パートナーシップに関する包括的協定といった, 複数の関税優遇措置が併存しています。
なかでも環太平洋の包括的協定であるCPTPPは, 発効した時点で約66パーセントの品目の関税が即時撤廃されており, 今後も段階的に撤廃率が引き上げられる仕組みです。取り扱う商品によっては, 通常の関税率と比べて格段に有利な条件でベトナムへ輸出できるため, 価格競争力を高める大きな武器となります。
この優遇制度を活用するには, 原産地規則の条件をクリアした上で原産地証明書を取得する必要があります。実務上はどの協定を選ぶのが最もコストを抑えられるかの判断に専門知識を要するため, 進出前にはジェトロが提供する関税データベースなどを活用し, 自社商品に最適な協定を正しく選定することが利益率を最大化する鍵となります。
6. 失敗しないベトナムECサイト参入ステップ
ベトナムECサイトへの参入を成功させるには、戦略的な進出計画と物流体制の構築が欠かせません。 ここでは、リスクを抑えた参入ステップと、越境ECの競争力を高める物流設計のポイントを解説します。
6.1. ベトナム越境ECのスモールスタート実践ステップ
ベトナム市場へ参入する際は、最初から大規模な投資を行うのではなく、まずは小さく始めて検証しながら拡大していく手法が最も効果的です。具体的には、以下の5つの手順に沿ってプロジェクトを進めていくのが現実的と言えます。
① 徹底的な市場調査
まずは現地の売れ筋カテゴリや競合の価格帯、購入者のレビュー傾向などを細かく調査します。特にショッピーやティックトックショップにおける類似商品のランキングを確認し、適正な販売価格を算出します。
② 最適なチャネル選定
ベトナムECの2大巨頭であるショッピーとティックトックショップのどちらを主軸にするか決定します。検索から購入されやすい商品はショッピー、動画やライブ配信と相性が良い商品はティックトックショップが向いています。
③ 出品と商品ページの最適化
ベトナム語で魅力的な商品説明や商品名を作成し、現地の消費者に響く訴求ポイントを整理します。初期は実績が少なく信頼を得にくいため、サンプル配布やフォロワー限定クーポンなどでレビューを集める施策も並行して設計します。
④ 決済と配送ルートの設計
代金引換の対応やモモなどの現地電子マネー決済の導入、さらに未着や返品が発生した際の手順をあらかじめ定めておきます。この準備を怠ると、トラブル対応で業務が破綻する原因になります。
⑤ 効果計測と運用の改善
購入率やレビュー評価、未着率などの数値を重要指標として日々チェックします。得られたデータを分析しながら、価格の調整や商品説明文の修正、配送方法の変更などを繰り返して店舗の精度を高めていきます。
6.2. ベトナム現地倉庫とフルフィルメントサービスの活用
ベトナム越境ECで配送に数週間かかる問題は、現地フルフィルメントの活用で解決できます。日本から注文の都度発送するのではなく、あらかじめまとめて現地倉庫へ商品を輸送しておく仕組みへの切り替えが極めて効果的です。
この方法により、お届け日数を現地の国内配送と同等まで短縮できます。一括輸送によって個別の海外送料を大幅に削減できるだけでなく、通関手続きもまとめて処理されるため、購入者の関税トラブルを防ぎ顧客満足度を高めることが可能です。
通関や在庫管理、返品対応などを外部の専門業者に委託することで、現地での人員確保や言語対応の手間も省けます。物流の初期設計を最適化することが、ベトナムでの事業展開を早期に軌道に乗せるための確実な近道です。
7. まとめ
ベトナムEC市場は、約1億人の人口と若い消費者層を背景に、東南アジアでも高い成長を続けています。EC利用者の増加やデジタル決済の普及により、日本企業にとっても有望な越境EC市場となっています。
一方で、ベトナムECサイトへの出店には、物流や通関、税務対応、ローカライズなど、日本国内とは異なる商習慣や課題があります。これらを事前に理解し、自社に適したECサイトや進出方法を選ぶことが、ベトナム市場で成功するための重要なポイントです。
まずはShopeeやTikTok ShopなどのECモールを活用して市場ニーズを検証し、販売実績に応じて物流体制や販売チャネルを拡大していく段階的なアプローチがおすすめです。リスクを抑えながら事業を展開できるため、越境ECを初めて取り組む企業にも適した方法と言えるでしょう。
ベトナム市場への進出を成功させるには、現地市場に精通したパートナーの存在が欠かせません。
Ezbuy Japanは、日本企業のベトナム越境ECをワンストップで支援するEコマースソリューションです。
商品の集約・検品・国際配送・通関対応をはじめ、現地倉庫でのフルフィルメント、在庫・返品管理、ベトナム語によるカスタマーサポートまで、越境ECに必要な業務を一貫してサポートします。
「ベトナムECサイトへの出店方法を知りたい」「物流コストを最適化したい」「越境ECをスムーズに始めたい」とお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. ベトナムでおすすめのECサイトはどれですか?
ベトナムで最もおすすめのECサイトは、市場シェアの半分以上を占める最大手のショッピーです。現在はシェア第2位のティックトックショップと合わせた2社だけで市場全体の97パーセントを占める2強時代となっています。そのため、日本から初めて参入する場合は、これら2大プラットフォームのどちらかを出店先として選ぶのが最も確実でおすすめです。
Q2. ベトナムEC市場の市場規模はどのくらいですか?
ベトナムのEC市場は急速な成長を続けており、2023年の市場規模は約230億ドル、2025年には約390億ドルへ拡大すると予測されています。年平均成長率(CAGR)は20%以上とされており、東南アジアでも特に成長性の高いEC市場の一つです。そのため、日本企業にとっても有望な越境EC市場として注目されています。
Q3. 現地法人なしでベトナム越境ECを始めることはできますか?
はい、現地法人なしで手軽に始めることができます。ショッピーなどの大手ECモールが提供する越境販売サービスを活用すれば、日本にいながら最短数週間でベトナム市場への出店が可能です。現地法人の設立が必要になるのは、将来的に自社独自のECサイトを現地で本格的に運営する場合のみとなります。そのため、まずはリスクの低いモール出店でスモールスタートし、売れ行きを見極めながら本格展開を検討するのが最もおすすめの進め方です。
Q4. ベトナム越境ECではどのような税金がかかりますか?
主に日本から商品を輸入する際にかかる関税、付加価値税、特定の品目にのみ課される特別消費税の3つが基本となります。日本から直接モールへ出店するだけであれば、複雑な現地法人向けの税金などは基本的に発生しません。さらに、日越EPAやCPTPPなどの関税優遇措置を活用することで、適用される関税率を大幅に引き下げてコストを抑えることが可能です。
Q5. ベトナム越境ECで売れやすい日本の商品とは?
ベトナム越境ECで特に売れやすい日本商品は、化粧品、ベビー用品、健康食品、生活雑貨です。これらの商品は安全性と品質に対する信頼が非常に高いため、価格競争に巻き込まれずにブランド力で差別化につながる強みがあります。特に肌に触れる化粧品や乳幼児向けの商品は口コミが広がりやすく、高くても安心して使える日本製品が選ばれやすい傾向にあります。
Q6. 日本からベトナムへの配送にはどれくらい時間がかかりますか?
EMSやDHLなどの速達便で2から5営業日、エコノミー便などの通常配送では1から2週間が目安です。ただし、成分検査が必要な化粧品や健康食品は通関手続きに時間がかかり、お届けまで数週間を要する場合もあります。配送の遅さを解消したい場合は、あらかじめ商品をベトナム国内の倉庫に一括輸送して現地から即時発送するフルフィルメントサービスの活用が最も有効です。