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ベトナム販売完全ガイド【2026年版】越境EC・関税・ECサイト・始め方を解説

By Nanami
13/08/2026 UTC.

ベトナム販売は、東南アジア市場への進出を検討する日本企業にとって有力な選択肢の一つです。人口約1億人、平均年齢の若さ、中間層の拡大を背景に、ベトナムの消費市場は今も成長を続けています。

 

近年はスマートフォンの普及とEC市場の拡大により、ShopeeやTikTok Shopなどを活用した販売が急速に広がっています。そのため、現地法人を設立する前に、越境ECからベトナム販売を始める企業も増えています。

 

一方で、「越境ECと現地進出はどちらが適しているのか」「関税や輸入規制にはどう対応すべきか」「初期費用はどの程度必要なのか」といった疑問を持つ企業は少なくありません。販売チャネルによって必要な準備やコスト、リスクは大きく異なります。

 

本記事では、ベトナム販売の主要な4つの方法(越境EC・現地EC・代理店活用・現地法人設立)を比較し、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。あわせて、関税・VAT・製品登録などの規制、物流・決済のポイント、さらにベトナム販売を始める具体的なステップや費用の目安まで紹介します。これからベトナム市場への参入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1. なぜ今ベトナム販売なのか?

ベトナムのEC市場は、東南アジアの中でも際立った成長を続けており、海外展開を目指す日本企業にとって極めて魅力的なターゲットとなっています。JETROの調査によると、2025年のEC流通総額(GMV)は約250億ドル(前年比+17%)に達し、ASEAN第3位の規模へ拡大しました。また、ベトナム電子商取引協会(iDEA)の発表では同年のGMVは約310億ドル(前年比+25.5%)と試算されており、いずれのデータにおいても高い二桁成長率が実証されています。

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ベトナム販売が今注目される理由

 

さらにJETROの予測では、2030年のGMVは約610億ドル規模に達し、タイを抜いてASEAN第2位のEC市場へ成長すると見込まれています。今後数年でベトナム市場の重要性は一段と高まる見通しです。

 

こうした市場拡大に加え、現地における「日本製品への高い信頼性」も大きな追い風となっています。ベトナムの消費者が越境ECを利用する理由として、半数を超える54.8%が「日本製品への信頼」を挙げており、他国ブランドと比較しても高い優位性があります。

 

実際、日本企業の現地進出も加速しています。JETROの調査によると、ベトナム進出済みの日本企業は約2,400社に達し、製造業(26%)や卸売・小売業(24%)を中心に多様な業界が参入しています。さらに、進出企業の56.7%が今後も事業を「拡大」すると回答しており、「撤退・縮小」を検討する企業はわずか2.5%にとどまるなど、ベトナム市場の将来性に対する期待の高さが窺えます。

1.1. ベトナムで売れるもの・人気カテゴリ

ベトナムのEC市場で特に高い需要を誇るのが、美容・パーソナルケア用品、日用品、健康食品、そしてホビー・アニメキャラクター関連商品などのカテゴリです。これらのジャンルでは、品質や安全性に対する信頼感から日本製品が選ばれやすい傾向にあります。

 

なかでも近年、市場の成長を強力に牽引しているのが、TikTok Shopなどを中心とした動画コマースです。動画経由の購買シェアではファッション関連が31%、美容関連が22%を占めており、上位2カテゴリだけで市場全体の半分以上を占める主要ジャンルとなっています。

 

ベトナムの若年層は購買意欲が高く、SNSでの視覚的なアプローチに敏感に反応します。そのため、日本企業が新規参入する際も、テクスチャーや効果を動画で直感的に訴求しやすい化粧品やスキンケア、アパレル商品などから着手することで、初期の認知獲得や売上拡大をスムーズに進めやすくなります。

1.2. ターゲット層と消費者プロファイル

ベトナムのEC市場における主要なターゲット層は、デジタルネイティブ世代であるZ世代やミレニアル世代の若年層です。彼らの多くは日常的な情報収集から決済・購入に至るまで、スマートフォンを唯一またはメインの手段として活用しています。

 

消費者の購買プロセスには明確な行動パターンが存在します。まず、日常的に利用するTikTokやFacebook、InstagramといったSNSの投稿やライブ配信を通じて商品を認知し、興味関心を深めます。その後、ShopeeやLazadaなどの大手ECモールへ移動して口コミや価格を比較し、実際の購入手続きを行うという導線が定着しています。

 

また、現地消費者はSNS上のリアルなインフルエンサー(KOL・KOC)のレビューや動画コンテンツを強く信頼する傾向にあります。そのため、ベトナムでの販売拡大を成功させるには、単にECモールへ出品するだけでなく、SNSでの認知獲得からモールでの購買へスムーズに誘導する一貫したWebマーケティング設計が極めて重要となります。

2. ベトナムでの販売チャネル4種類を比較

ベトナム販売を成功させるには、自社に合った販売チャネルを選ぶことが重要です。ベトナムで商品やサービスを販売する方法は、大きく分けて越境EC、現地EC、販売代理店・ディストリビューター、現地法人設立の4つがあります。

 

ここで注意したいのが、進出形態と販売チャネルは必ずしも一致しないという点です。たとえば現地法人を持たなくても越境ECで販売は可能ですし、現地法人を設立しても販売を代理店に委託するケースがあります。自社の事業フェーズや予算、販売体制に合わせて選ぶことが重要です。

 

以下では、4つの販売チャネルを初期投資、立ち上げスピード、ブランドコントロール、主なリスクの4つの観点から比較します。

2.1. 越境EC

越境ECは、現地法人を設立せずに、日本からベトナムへ商品を直接発送する販売方式です。Shopee Global SellerやLazada Cross Border、TikTok Shopといったプラットフォームを活用することで、初期費用を抑えて迅速にテスト販売を始められる点が魅力です。一方で、国際送料の負担や配送日数、関税手続き、返品対応などの運用課題も存在します。そのため、「まずは低リスクで現地の需要をテストしたい」という参入初期の企業に最適な手法です。

 

越境ECに適したベトナムECサイトや、Shopee・TikTok Shopの違いを詳しく比較したい方は、以下の記事をご覧ください。

 

>>関連記事:ベトナムECサイトおすすめ4選|市場動向・越境EC進出の成功法まで【2026年最新】 

2.2. 現地EC

現地ECは、ベトナム国内の倉庫にあらかじめ商品を保管し、現地配送網を用いて短納期で注文を届ける販売方式です。越境ECと比べて配送スピードが格段に速く、代引き決済(COD)の利用率が高いベトナム市場において、購入者の安心感やコンバージョン率、レビュー評価を大きく向上させることができます。一方で、事前入庫に伴う在庫保管コストや輸入手続きの手間が発生し、売れ残りを防ぐための高度な需要予測とリアルタイムな在庫管理が求められます。「すでに一定の需要が見込める商品の販売を加速させたい」という本格展開フェーズの企業に最適な手法です。

2.3. 販売代理店・ディストリビューター活用

現地の商流や実店舗・ECの小売ネットワークを豊富に持つ代理店やディストリビューターと提携し、ベトナムでの販売業務を全面的に委託する方式です。現地の市場環境や複雑な商習慣に精通したパートナーの販路を最大限に活用できるため、自社でゼロから販売網を構築するコストやリスクを大幅に削減できる点が大きなメリットです。一方で、販売価格の設定やブランドイメージの維持、マーケティング戦略の主導権を自社でコントロールしにくくなる側面もあります。そのため、成果の成否は自社の事業方針やブランド価値を理解し、ともに成長を目指せる優秀な現地パートナーを選定できるかに大きく左右されます。

2.4. 現地法人設立による直接販売

ベトナム現地に自社法人を設立し、卸売や直営EC、実店舗などを通じて直接販売を展開する方式です。進出形態としては100%外資の有限責任会社(LLC)の設立が一般的であり、業種や取り扱い商材に応じた外資規制やライセンス要件の事前確認が不可欠となります。設立手続きや初期投資、現地スタッフの雇用維持といったリソースが必要となる反面、価格戦略やブランディング、マーケティング施策を完全に自社の裁量でコントロールできる点が最大のメリットです。「一時的なテスト販売にとどまらず、長期的な事業基盤を構築してベトナム市場へ本格参入したい」という企業に最適な戦略的アプローチです。

3. ベトナムで人気のECサイトと特徴

ベトナム販売で越境ECや現地ECを始める場合は、主要なECサイトの特徴を理解しておくことが重要です。ベトナムのEC市場は急速に拡大しており、現在はShopeeとTikTok Shopの2つのプラットフォームが市場の中心となっています。

 

2025年のマルチカテゴリGMVシェアは、Shopeeが58%、TikTok Shopが39%で、両者だけで市場全体の97%を占めています。一方、LazadaとTikiのシェアは合計で3%まで低下しました。

 

特に成長が著しいのはTikTok Shopです。前年の29%から39%へとシェアを拡大しており、動画コマースやライブコマースの普及がその成長を後押ししています。市場全体でも、2024年は主要4プラットフォームの売上が前年比40%増となり、ShopeeとTikTok Shopが市場拡大を牽引しました。

 

このような市場環境を踏まえると、ベトナムでEC販売を始めるなら、まずはShopeeとTikTok Shopを中心に検討するのが現実的です。

 

以下では、主要4つのECサイトの特徴を比較し、それぞれの強みや向いている商材を紹介します。

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ベトナムで人気のECサイト4選 

3.1. Shopee

Shopeeは、ベトナムEC市場において圧倒的なシェアを誇る最大手の総合ショッピングモールです。日用品からファッション、コスメ、家電に至るまで幅広いカテゴリの購買層を抱えており、圧倒的な集客力を備えている点が最大の魅力です。さらに、出店企業向けにShopee Japanによる日本語でのサポート体制や越境EC出品プログラムが充実しているため、言語や運用のハードルを低く抑えることができます。そのため、これからベトナムでのEC展開や海外販売に初めて挑戦する日本企業が、テストマーケティングや初期販路として真っ先に検討すべき必須のプラットフォームといえます。

3.2. TikTok Shop

TikTok Shopは、ショート動画やライブコマースを軸にベトナム国内で急成長を続けるを遂げているECプラットフォームです。SNS上での認知から商品の購入までがアプリ内で完結するため、購買離脱を防ぐシームレスな導線が確立されており、トレンドに敏感なZ世代をはじめとする若年層へ圧倒的な訴求力を発揮します。商品の質感や使用感を動画で直感的に訴求できる美容・コスメやアパレル、日用品などのカテゴリと特に相性が良く、動画マーケティングを通じて認知拡大と売上拡大を同時に狙いたい企業にとって最優先で導入を検討すべきプラットフォームです。

3.3. Lazada

Lazadaは、アリババグループの物流・決済インフラを背景に東南アジア全域をカバーする越境ECの運用フローに強いプラットフォームです。ベトナム国内でのシェアにおいてはShopeeやTikTok Shopに押されがちな傾向にありますが、高度な物流ネットワークと安定した配送・決済システムを備えている点が特徴です。単一国での販売にとどまらず、ベトナムを起点にタイやインドネシア、マレーシアなど東南アジア複数国への広域展開を視野に入れる企業にとって、越境販売の一括管理窓口として非常に有効な選択肢となります。

3.4. Tiki

Tikiは、ベトナム発の老舗ECプラットフォームであり、偽小品を排除した高い信頼性や、書籍・家電製品といった特定カテゴリにおいて根強いファン層を保有しています。近年の市場全体におけるシェアはShopeeやTikTok Shopに押されて縮小傾向にありますが、商品の信頼性を重視する中購買層の顧客が利用している点が特徴です。そのため、家電や書籍をはじめ、正規品としての品質を強く訴求したい商材において、他モールとの併用や補完的な販売チャネルとして出店を検討する価値のあるプラットフォームです。

3.5. プラットフォーム別の向き・不向き

ベトナムの主要ECモールは、それぞれ強みや主なユーザー層が異なります。自社の商材特性や事業フェーズに合わせて、最適なプラットフォームを戦略的に選ぶことが重要です。

  • Shopee: 圧倒的な集客力と手厚い日本語サポートが強みです。幅広いカテゴリに対応しているため、初めてベトナムECへ出店する企業の第一選択肢として適しています。
  • TikTok Shop: 動画やライブ配信を活用した若年層への高い訴求力が特徴です。コスメやファッションなど、視覚的に商品の魅力を伝えやすい「見せる商材」と非常に高い相性を誇ります。
  • Lazada: アリババ基盤の物流網を生かした越境販売フローに強みがあります。ベトナム単体にとどまらず、東南アジア複数国への広域展開を見据える場合に向いています。

自社の商材が持つ強みを整理し、まずは1つのモールで実績を作った上で、段階的にマルチチャネル展開を進めていくのが着実な戦略です。

3.6. ベトナムEC出店・販売開始前のチェックリスト

ベトナムでのEC事業をスムーズに立ち上げ、立ち上げ後の運用トラブルや無駄な手戻りを防ぐためには、事前準備が極めて重要です。出店手続きに着手する前に、以下の重要ポイントを確実に整理しておきましょう。

  • カテゴリ別の手数料率: プラットフォームや商品ジャンルごとに販売手数料や決済手数料が異なるため、利益率を正確に試算しておく必要があります。
  • 決済手段とCOD(代金引換)比率: ベトナムでは依然としてCOD利用率が高く、受取拒否やキャンセルによる返品リスクを考慮した運用設計が求められます。
  • 返品・返金ポリシー: 各プラットフォームの規定を事前に把握し、自社の現地物流網や在庫管理体制と整合させておくことが不可欠です。
  • ローカライズ対応: 単なる直訳ではなく、現地消費者の検索キーワードや商習慣に合わせたベトナム語の商品名・商品説明文の最適化が必要です。

 

「プラットフォーム選定から出店手続き、現地ローカライズまで一貫したサポートを受けたい」とお考えの企業様には、現地マーケティングとEC運用に強い代行サービスの活用がおすすめです。

 

Ezbuy Japanでは、日本企業のベトナムEC進出および現地販売を成功へ導く包括的なEコマースソリューションを提供しています。参入前の市場調査をはじめ、ShopeeやTikTok Shopなどの店舗構築・運用、現地視点でのベトナム語CS対応、効果的なWebプロモーションまで、貴社の事業展開をワンストップで伴走支援いたします。

 

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4. ベトナムでの販売に必要な関税・輸入規制・製品登録

ベトナム販売では、関税・輸入規制・製品登録への対応が欠かせません。商品カテゴリによって必要な手続きや規制が異なるため、事前に確認しておかないと通関の遅延や販売開始の遅れにつながる可能性があります。

 

特に重要なのが、日本原産品に適用されるEPA(経済連携協定)の活用です。適切に手続きを行えば関税負担を抑えられ、販売価格や利益率にも大きく影響します。

 

以下では、ベトナム販売に必要な関税とVATの基本、商品カテゴリごとの輸入規制や製品登録、さらにEPAを活用するための実務ポイントを順に解説します。

4.1 関税とVATの基礎知識

ベトナムへ商品を輸入・販売する際は、品目ごとの関税と付加価値税(VAT)の仕組みを正しく理解しておく必要があります。

  • 関税: 化粧品を例にとると、MFN税率(最恵国税率)は品目に応じて6〜22%程度と幅があります。しかし、日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)や日越経済連携協定(VJEPA)などの経済連携協定を活用し、適正な原産地証明を行うことで、多くの日本産化粧品で関税率0%の優遇措置を受けられます。
  • 付加価値税(VAT): 原則として「CIF価格(商品代金+保険料+送料)+関税額」を課税対象額とし、基本税率10%が課されます。  
  • HSコードの事前確認: 実際の関税率や規制の有無は、6桁〜8桁のHSコード(品目分類番号)によって厳密に定められています。仕入れや出荷の前に、自社商材の該当HSコードを必ず確定させておくことが不可欠です。

 

なお、近年は小口輸入に対する関税免除制度の見直しが進んでいるため、越境ECで少額商品を発送する場合でも、最新の関税・VAT徴収ルールを継続的に確認することが重要です。

4.2 カテゴリ別の登録・表示義務

ベトナム国内で商品を正しく販売するためには、商材カテゴリごとに定められた法令上の登録手続きや表示義務をクリアする必要があります。

 

化粧品を輸入・販売する際は、ベトナム保健省MOHへの事前届出が必須となります。手続きの際には成分表や安全性データシートSDS、製造工程に関する証明書の提出が求められます。

 

食品やサプリメントの場合は、輸入時に通関港や空港での品質・衛生検査が行われます。初回輸入時にはサンプルの抽出検査が実施され、パスするまでに通常5〜10営業日を要します。また、原材料や賞味期限を記載したベトナム語の補助ラベルの貼付が法律で義務付けられています。

 

いずれのカテゴリも、必要書類の回収や現地当局への申請処理には数ヶ月単位の時間がかかるケースが一般的です。販売開始予定日から逆算し、計画的に手続きへ着手することが成功のポイントです。

4.3 原産地証明とEPA活用の実務

EPAによる関税の特恵税率の適用を受けるには、対象商品が日本原産であることを証明する原産地証明書の提出が必須となります。

 

日本からベトナムへの輸出実務においては、日ASEAN包括的経済連携協定に基づくForm AJや、日越経済連携協定に基づくForm VJ、さらにはRCEPの原産地証明書を活用するのが一般的です。

 

原産地証明書における品名表記やHSコード、数量記載の不一致といった書類上の不備は、ベトナムの通関時に最も頻発する遅延要因の一つです。不備が指摘されると特恵税率の適用が否認され、高額な標準税率が課されるリスクも生じます。

 

関税上の優遇措置を確実に享受し、物流の遅延を防ぐためにも、出荷前に適用するEPAフォームの種類や記載内容の要件を精査し、厳密に確認しておくことが欠かせません。

 

※注意:ベトナムの関税率や各種輸入規制、手続き要件は頻繁に改定されます。実際に輸出・販売を行う際は、必ずJETROやベトナム税関の最新情報を確認するか、貿易の専門家・通関業者へご相談ください。本記事の情報は法的な助言を提供するものではありません。

5. 物流・決済・フルフィルメント構築のポイント

ベトナム販売では、物流・決済・フルフィルメントの体制づくりが重要です。配送遅延や決済トラブル、返品対応は、顧客満足度や利益率に直結します。安定した販売体制を構築するには、販売後のオペレーションまで含めて最適化することが欠かせません。

 

決済面では、COD(代金引換)が依然として主流です。ただし、COD比率が高いと返品率の上昇やキャッシュフローの悪化、詐欺リスクにもつながりやすい点には注意が必要です。近年はMoMoやZaloPayといった電子ウォレットの利用も急速に広がっており、決済手段の多様化が進んでいます。

 

物流面では、越境配送のコストと時間が大きな壁となります。特に地方・農村部は納期が長引きやすく、購買意欲の低下につながる要因にもなります。こうした課題に対応するため、ShopeeやLazadaの倉庫サービス、あるいは現地フルフィルメントセンターを活用し、配送のリードタイムを短縮する動きが広がっています。実際、2025年のベトナム越境EC物流市場では、輸送部門が全体の67.94%を占めており、商品をいかにスムーズに届けるかが競争力の重要な要素となっています。

5.1. 越境フルフィルメントと現地在庫の使い分け

ベトナムEC市場における物流戦略では、越境フルフィルメントと現地在庫モデルのどちらか一方のみに絞るのではなく、事業フェーズに応じて柔軟に使い分ける運用が現実的です。

 

参入初期の検証フェーズでは、日本からの直接発送や保税倉庫を活用した越境フルフィルメントで小さくテスト販売を行い、現地での需要や売れ筋商品を検証するのが効果的です。これにより、過剰在庫のリスクや初期投資のコストを最小限に抑えることができます。

 

商品需要や一定の販売ボリュームが確認できたスケール期においては、現地提携倉庫へまとまった在庫を配置する現地在庫モデルへと段階的に切り替えます。

 

このようなハイブリッド型の物流設計を導入することで、参入リスクを最小限に抑えつつ、売上拡大のタイミングで配送スピードと顧客満足度を大幅に向上させることが可能となります。

 

物流・決済・フルフィルメントを最適化することで、配送品質や顧客満足度を大きく向上させることができます。

 

>>関連記事:ベトナムのフルフィルメント完全ガイド|失敗しない代行業者の選び方と費用相場【2026年最新】 

5.2. 返品対応・カスタマーサポートのローカライズ

ベトナムECで成果を上げている企業には、ベトナム語による手厚いカスタマーサポートと現地商習慣に合わせた運用を徹底しているという共通点があります。

 

ベトナムの消費者は購入前のチャット問合せや迅速な返答を重視する傾向が強く、返品ポリシーやサポート対応が現地の期待値と乖離している場合、店舗レビューの悪化やリピート率の低下に直結します。

 

日本とベトナムの時差はわずか2時間であるため、日本国内からでもリアルタイムに近い運用自体は十分に可能です。しかし、自然なベトナム語コミュニケーションや現地の物流事情を踏まえたスムーズな返品プロセスの構築には、高度なローカライズ体制が欠かせません。

 

自社内での対応やリソース確保が難しい場合は、現地のフルフィルメント代行サービスを活用し、倉庫管理から配送、カスタマーサポートまでを一括委託するのも非常に有効な戦略です。

 

Ezbuy Japanでは、最先端の倉庫管理システム(WMS)と経験豊富な現地専任チームが、ベトナム進出における注文処理から丁寧な梱包、迅速な現地発送、そして現地視点でのカスタマーサポートまでを一括して代行いたします。複雑な在庫管理やロジスティクス業務をすべてお任せいただくことで、貴社はマーケティングや商品開発といった事業の成長戦略にリソースを集中させることができます。

 

ベトナムでのEC運用や物流体制の構築にお悩みの際は、ぜひ当社のベトナムフルフィルメントサービスをご活用ください。専門スタッフが貴社の事業規模やニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

6. ベトナム販売の始め方と費用

ベトナム販売を始めるには、販売チャネルの選定から物流・決済の準備まで、段階的に進めることが重要です。

 

ここでは、ベトナム販売の始め方を5つのステップで整理し、必要な費用の目安もあわせて解説します。

6.1. ベトナム販売開始までの5つのステップ

ベトナム販売を成功させるには、段階的に準備を進めることが重要です。ここでは、ベトナム販売の始め方を5つのステップでわかりやすく解説します。

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ベトナム販売開始までの5ステップ

ステップ①: 市場・カテゴリ検証

まずは初期費用を抑えられる越境ECを活用し、小規模に参入して現地ユーザーの反応を探ります。本格的な投資を行う前に、自社商材の需要や競争力を検証する重要なフェーズです。

ステップ②: 規制・関税・許認可の確認

取り扱いカテゴリに応じた関税率や各種規制、表示義務を精査します。化粧品の保健省届出や食品の検疫対応など、商材ごとの必要手続きを事前に把握しておくことで、通関遅延や法的手続きのトラブルを未然に防ぎます。

ステップ③: チャネル選定と店舗開設

テスト検証の結果に基づき、ShopeeやTikTok Shopをはじめとする最適なECプラットフォーム、または現地代理店や直接販売といった進出チャネルを決定し、実際の店舗構築や契約手続きを進めます。

ステップ④: 物流・決済・カスタマーサポート体制の構築

ベトナムで主流のCOD代金引換や電子ウォレットへの決済対応をはじめ、配送ルートや返品処理、ベトナム語によるCS体制を整備します。「商品が売れた後」の運用基盤を強固にする段階です。

ステップ⑤: スケール判断

初期運用の販売データや顧客のフィードバックを踏まえ、現地倉庫への在庫配置、代理店網の拡大、あるいは現地法人の設立といった事業拡大に向けた次の投資判断や事業拡大の方向性を決定します。

6.2. ベトナム販売にかかる費用・コスト目安

ベトナム市場への参入に必要な費用は、選択する進出手法や事業規模によって大きく異なります。自社の予算感や事業目標に合わせたコスト設計を行うことが重要です。

現地法人を設立する場合、手続き費用自体は約4,000ドルからが一般的な目安となります。これに加えて資本金の準備が必要となり、販売・サービス業では約300万円前後、製造業などでは3,000万円以上が目安とされています。ただし、外資規制や事業ライセンスの条件によって必要資金は変動するため注意が必要です。

一方、越境ECを活用した参入であれば、法人設立や高額な資本金の準備は不要です。主なコストはプラットフォームの出店手続費やローカライズ費用、運用面での販売手数料や国際物流費、WEB広告費などに限定されます。

まずは初期投資を最小限に抑えて市場の反応を確かめたい企業にとって、越境ECからスタートするのが最もリスクが低く、現実的な選択肢といえます。

6.3. ベトナム販売でよくある失敗パターン

ベトナムEC市場へ参入したものの、十分な成果を得られずに撤退を余儀なくされる企業には、明確な共通パターンが存在します。失敗のリスクを事前に回避するためには、これらの陥りやすい落とし穴を把握しておくことが極めて重要です。

 

代表的な失敗要因として挙げられるのが、現地ユーザーの嗜好や購買力を考慮しない市場調査不足での参入です。また、商品名や商品説明文の機械翻訳にとどまり、ベトナム独自の商習慣やカスタマーサポートの期待値に合わせたローカライズを怠るケースも後を絶ちません。

 

さらに、輸入規制や許認可、通関手続きの確認を軽視した結果、現地到着後に通関が止まり、大幅な納期遅延や予期せぬ追加コストが発生する事例も多く見られます。

 

これらの失敗に共通しているのは、進出前のリサーチと準備不足に起因している点です。参入前の段階で現地市場の特性を深く分析し、実効性の高い運用計画を立てておくことこそが、失敗リスクを最小化する最善の対策となります。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 日本企業がベトナム販売を始めるには現地法人が必要ですか?

現地法人の設立は必須ではありません。ShopeeやTikTok Shopなどの越境ECスキームを活用すれば、日本法人のまま現地販売を開始できます。まずは初期リスクを抑えて越境ECで参入し、市場での手応えや需要が確認できた段階で現地法人設立や現地在庫化へ移行するのが最も効率的なプロセスです。

Q2. ベトナムで売れやすい日本製品とは?

コスメ・スキンケアなどの美容用品、日用品、食品、およびアニメ・キャラクターグッズが非常に高い人気を誇ります。ベトナムの消費者は「日本ブランド」の品質と安全性に対して強い信頼を寄せており、特にTikTokなどの動画コマースと相性が良い美容・ファッション関連商品はSNS上の話題化から爆発的な売上に繋がりやすい傾向があります。

Q3. ベトナムのEC市場規模はどのくらいですか?

ベトナムのEC市場は東南アジアトップクラスの成長率を維持しており、2025年時点でEC流通総額GMVは250億〜310億ドル規模に達しています。さらにJETROなどの各種調査では2030年までに約610億ドル規模へ拡大し、タイを抜いてASEAN第2位のEC市場になると予測されているため、日本企業にとって今まさに進出すべき魅力的な市場です。

Q4. ベトナム販売にはどのECプラットフォームがおすすめですか?

市場シェアの約97%を占めるShopeeとTikTok Shopの2大プラットフォームを軸に検討するのが最適です。総合力と日本語サポートに優れたShopeeは幅広い商材や初出店に最適な一方、TikTok Shopは動画やライブ配信を通じたZ世代向けのアピールに威力を発揮します。また、東南アジア広域展開ならLazada、家電や書籍など特定ジャンルならTikiを補完的に併用する戦略も有効です。

Q5. ベトナム販売では日本製品に関税やVATがかかりますか?

輸入時には関税と付加価値税VATが課されますが、日ASEAN包括的経済連携協定AJCEPや日越経済連携協定VJEPAを活用することで関税を0%まで削減できる品目が多数存在します。ただし、関税が免除される場合でもCIF価格と関税の合計に対して原則10%のVATが課されるため、事前のコスト試算時には双方を区別して正確に計算しておく必要があります。

Q6. ベトナムで現地法人を設立する費用はいくらですか?

法人設立の手続き費用自体は約4,000ドルからが一般的な目安となりますが、別途事業を開始するための資本金が必要です。一般的なサービス業や販売業では約300万円前後、製造業や大規模事業では3,000万円以上が資本金の目安とされています。業種や外資規制の条件によって必要資金やライセンス要件が変動するため、進出時は専門家へ事前に相談することをおすすめします。